注意すべき冬にかけての感染症とその予防

医療

冬に流行する呼吸器または消化器感染症は、空気感染や飛沫感染、そして接触感染によって流行します。ご家庭でお子さんなどがインフルエンザに感染したとしても正しく感染予防していれば意外と家庭内感染拡大を防げます。予防法は基本的には標準予防策のマスク・うがい・手洗いに加え、環境消毒です。ドアノブ、手すりなどよく手が触れる場所を清掃、又はアルコールや塩素系で消毒すると効果的です。塩素系消毒剤は人体に使用しないでください。下記に冬に起こる主な呼吸器・消化器感染症について簡潔に説明します。

季節性インフルエンザ感染症

  • 症状:通常の上気道炎(風邪症状)よりも高熱、関節痛が起こる
  • 感染経路:空気感染、接触感染
  • 重症化予防:インフルエンザ予防接種(特に小児、高齢者は注意)
  • 治療薬あり:経口のオセルタミビル、吸入薬のラニナミビル、重症の場合は注射薬のペラミビル

 感染し、発熱などする場合は脱水にならにように水分摂取を心がけてください

新型コロナウイルス感染症

令和5年5月8日から季節性インフルエンザ感染症と同じ5類感染症に移行されました。これにより、感染後の対応は個人・会社の判断が基本となります。

  • 症状:高熱、頭痛、関節痛、咳、鼻水、味覚障害(長引くことがある)など
  • 感染経路:空気感染、接触感染
  • 重症化予防:新型コロナワクチン
  • 治療薬あり:経口薬、注射薬

RSウイルス感染症

誰しも2歳までにほぼ100%感染すると言われています。ほとんどは軽症で回復しますが、基礎疾患のある乳児や高齢者においては重症化することがあるので注意が必要です。基礎疾患のある乳児、新生児においては重篤化予防のためパリビズマブという筋肉注射薬があります。

ノロウイルス感染症

ほとんどは経口感染です。感染者の糞便に触れて経口より感染、また二枚貝などを食べて感染する場合もあります。症状は腹痛、嘔吐、下痢が主症状ですが、軽度の風邪症状で終わることあります。ノロウイルスはアルコールによる消毒が無効なため、環境消毒には塩素系に行います。塩素系消毒は決して人体に使用してはいけません。感染したら治療薬はなく、脱水にならにように水分をとりながら療養してください。

ロタウイルス感染症

ほぼ5歳までにほとんどのお子さんが感染する急性胃腸炎です。重症化し入院する場合もあるため注意が必要です。今はロタウイルスワクチン予防接種が乳幼児の定期接種になりましたので忘れず接種するようにしましょう。小さなお子さんが突然泣き出したり嘔吐、血便、顔色が悪かったりする場合はロタウイルスに感染している可能性もあるため、医療機関を受診しましょう。

【まとめ】

感染症対策の基本は、手洗いうがいマスクの着用身の回りの消毒が基本です。環境の消毒をする際にも、人がよく触れる場所を重点的に消毒薬で拭き取ることが大事です。また上記の感染症の中には、罹患した際の重症化予防のワクチンもありますので積極的に接種することも大事です。

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